このサイトの副題に「うまいもん、ときどき仕事」と銘打っておきながら、
その「ときどき」の部分が全然投稿されていないという体たらくですが、
久々に投稿してみたいと思います。
この度、三輪大社の第二期 平成の大造営に伴い、
JR三輪駅東側に新設された「直会(なおらい)殿・能楽堂」の杮落とし公演にお呼びいただきました。
ちなみに私はこの三輪大社のお仕事は確か2回目くらいなのですが、
あまりにも久々過ぎて、場所を間違えて本堂まで登ってしまいました・・・。
狂言方が勤めます演目は「福の神」です。
シテの福の神を茂山忠三郎師、
アドの参詣人を師匠の茂山あきらと私が勤めさせていだくという配役でございました。
このような晴れがましい舞台に、
師匠と甲・乙という配役で出させていただくのもなかなかない機会なので、
久々に投稿しようと思った次第です。
とはいえ、特に写真などがあるわけではないのですが。
「福の神」という演目は、割とよく上演されるお目出度い演目なのですが、
三輪大社で上演する場合は台詞が一部変わります。
主にどのように変わるかと申しますと、
通常は「福は内」と言って豆を蒔くところが、「福は山」に変わり、
三輪大社の御神体の謂れを説明します。
実は我々は、三輪大社の様に別バージョンが予め決まっていない場合でも、
地方の公演などで台詞の中の地名をその土地の地名にしてみたり、
酒どころやお酒のイベントではお酒に関する台詞を実際の銘柄にしてみたり、
その時々に合わせてアレンジする事はしばしばあります。
そもそも我々は、
狂言の出だしの台詞である「これはこの辺りに住まい致すものでござる」も、
「この辺り」、つまり「今日演じるこの辺りに住んでいる人ですよ」と解釈して演じているわけですから、
そういったアレンジが出てくるのも、自然な事なのかも知れません。
さて、道中にあるこの杉玉、狂言にも出てきますね。
杉の葉を集めて球体にしてあります。
これは新酒が出来ましたよという、お知らせの意味があったそうです。
そしてせっかく三輪に来たのですから、
三輪そうめん。
結構寒いですが、やはり味をしっかり感じるには冷やしで!
という謎の使命感によって、こちらを注文致しました。
いやー、美味しいんですが、やっぱり味の違いがわからない。
皆さんは、そうめんの麺の味の違いってわかりますか?
そもそも味あります?ほぼつゆの味では?
コシとかも茹で時間の問題では?
と若干悶々としながら食しておりました。
そんな事を考えながらも、
ちゃっかりおやみやげに柿の葉寿司を買って帰り、
美味しくいただいたのでした。